推しと短歌 おかわりっ!(講師:榊原紘)

講座概要

どうしても心が惹きつけられてしまうヒト・キャラ・モノ……。そんな「推し」を表現するとき、つい強い言葉を連発してしまいませんか?(「脚が5mある」、「キャラデザ1億点」など……。)

それはとても楽しいことです(講師もよくやります)。けれど、何かを表現したり評をしたりするとき、言葉のインフレ状態に精神を任せるのは危ういときもあります。

短歌という手段によって愛するコンテンツを再発見する連続講座「推しと短歌」は、おかげさまで五期目となります。今一度「短歌を読む」ことを通して、言葉の微妙なニュアンスを考えたり、感想・評を言うときの表現を磨いたりしていきましょう。

「推しと短歌」(第一期)・「推しと短歌 りた~んず!」(第四期)で短歌の基礎を扱ってきたため、今回の「推しと短歌 おかわりっ!」は短歌の概要についてはかなり駆け足です。そのぶん、歌をどんどん読んでいきます。今回の講義で実作はしませんが、歌を読むことは歌を作ることを大いに扶けることでしょう。

講師は第二回笹井宏之賞の大賞受賞者であり、第一歌集『悪友』が重版となった歌人・榊原紘が務めます。「短歌になんとなく興味はあるけれど、読み方が分からない」という方素晴らしいものを見たときについ語彙を喪失してしまう方に特におすすめです(「言葉にできなかった」・「分からない」ことも大切だ、という話もします)。

講師の最近の作品

氷面鏡《ひもかがみ》 そうだ命をそばだてて此処まで奪《と》りに来てみたらいい

額縁を焼べてきたかのような貌ゆっくり上げてただいまと言う

花豆のケーキにフォークあてがって生きるとは抗うこと 私たち

スケジュール

第1回 「好きなものを起点に読む」

8月24日(水)20:00~21:30

言葉を盛ることは楽しく、しかし続けていると知らない間に疲弊すると気づいた講師が、短歌の「読み」について考えた基本的なことをまとめた回です。まずは好きなもの、既に知っているものを足掛かりに短歌に触れ(「イメ短歌」という考え方)、評へとどのように変換するのかをお伝えします。「推しと短歌」の今までの講義の「評」をメインにした回と内容が重複するところがありますので、受講された方はご注意ください。逆に最近短歌に触れ始めたよ、という方にはおすすめの回となっています。

第2回 「フェミニズム短歌を読む」

9月7日(水)20:00~21:30

講師が思う、フェミニズム短歌を紹介していきます。何の手掛かりもなく読むのがまだ難しいという方々の為に、テーマがはっきりしたものをお見せしたいと思い、蒐集しました。同じテーマで見たとき、どのような工夫がそれぞれに見えてくるのか。人の歌から語彙や言葉の使い方を学んでいきましょう。短歌の時評も引用します。

第3回 「細部を見る――短歌の技法について」

9月21日(水)20:00~21:30

一字空け、多行書き、句点・読点、韻律、ルビ、本歌取り……短歌には様々な技術が詰め込まれています。細部を見ることで、より歌の解像度が上がります。助詞を別のものに置き換えるとどのように感じるか、一字空けると/詰めるとどのように読めるか、なども考えていきます。短歌を作る方の推敲のヒントにもなる回です。

第4回 「短歌で何ができるか――連作と歌集」

10月5日(水)20:00~21:30

さまざまなタイプの短歌を第3回までで引用してきましたが、最終回である第4回では「連作」(簡単に言うと歌の集まり)や「歌集」という単位のお話もします。最近読んだよい連作や、歌集を作ってきた立場から本(歌集、同人誌)を作るときに気を付けたこともお話します。一首ずつで読んだときとは、また違うものが獲得できるはずです

授業詳細

講師:榊原紘
参加費:講義¥3000/回
回数:全4回
授業方法:zoomによるオンラインワークショップ

日時:8月24日(水)、9月7日(水)、9月21日(水)、10月5日(水)

時間:20:00-21:30

※全て1ヶ月間視聴可能アーカイブ配信あり
部分受講:可
当日参加できなくても参加できます

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