ゲームを作ってみたいけれど、どうやって作るか見当がつかない。作ったことがあるけれど、挫折してしまった。もしくはゲームの世界に何となく居心地の悪さを感じている。そんな人におすすめのゲーム作り教室がこの夏から講師に近藤銀河さんをお迎えし、ゆにここカルチャースクールで始まります!
ここでは、個人的なことがゲームになります。
それは日記のような、今日は寝すぎたなとか、昨日は空気が綺麗だったなとか日常のほんの些細な出来事であったり。
もしくは女性としての、人種的マイノリティとしての、セクシュアルマイノリティとしての、サバイバーとしての、それらの属性が重なり合う、一貫した形では描けないような、語ることのできないようなことが。
この教室ではプログラム不要な小さなゲーム開発を、フェミニズムの思想と共に実践していきます。難しいことはありません。
実は、フェミニズムの実践としてゲーム作りやゲームプレイを行ってきた長い歴史もまた、ゲームの世界には存在しています。
そうしたゲームの多くは数分で終わってしまうような短いものであったり、ときには絵のない文字だけの作品だったりもします。それは、大規模に産業化されたゲームを、個々人が取り戻そうとする試みでもありました。
そんなフェミニズム・ゲームの歴史や思想を辿りつつ、小さくて個人的なゲームをみんなで作っていきます。
キーワードとなるのは「ルール」、「変化」、そして「改変」の三つです。
ゲームには骨格となるルールがあり、それはプレイヤーのゲーム体験が変化するダイナミズムを作り、ルール自体もときに変化します。
こうしたルールとのやり取りは、社会の中で強固なルール=規範を意識しながらそれを揺るがしつつ生きる経験に重なるもの。
プレイヤーは時にゲームを改変し、全く新しいゲーム=意味へと作り変えていきます。
私たちとゲーム文化に小さいけれど大きな変化を作っていきませんか。
近藤銀河
1992年生まれ。アーティスト、美術史家、パンセクシュアル。中学の頃にME/CFSという病気を発症、以降車いすで生活。主に現代から見てレズビアン的と見える西洋美術を研究するかたわら、ゲームエンジンやCGを用いてセクシュアリティをテーマにした作品を発表する。ライターとして雑誌「現代思想」「SFマガジン」「文藝」などへ寄稿多数。共著に『『シン・エヴァンゲリオン』を読み解く』(河出書房新社、2021)、『われらはすでに共にある─反トランス差別ブックレット』(現代書館、2023)、『SF作家はこう考える』(社会評論社、2024)など。単著『フェミニスト、ゲームやってる』(晶文社、2024)は2024年度紀伊国屋じんぶん大賞に入賞。
アーティストとして、カクバリズムのTill Yawuhさんのアルバム「Still Sounds」ジャケットを担当し、Vtuberの温泉マークさんの「ねんねんころり」のMVを担当。
第1回「ゲームづくりを考えよう!」
2025年6月17日(火)19:00-20:30
第1回ではフェミニズムとゲームの交差点をたどりながら、ゲームを作る意味を改めて定義していきます。
フェミニズム的なアーティストたちはゲームをどんなふうに自分の作品に取り入れたのでしょうか?
人々は電子空間にどんな期待を寄せ、そして裏切られつつも実践を続けたのでしょうか?
どんなフェミニズム的なゲームがこれまでにあったのでしょうか?
ゲームを作ることをフェミニストたちはどう語ってきたのでしょうか?
こうした交差点を歩きながら、フェミニズム・ゲーム作りの道を始めて行きましょう。
第2回「アナログゲームを改造しよう!」
2025年7月15日(火)19:00-20:30
第2回ではいよいよゲーム作りに挑戦していきます。といってもいきなりゲームを作るのではなく、まずは改変から入っていきましょう。なぜならそれこそゲーム作りの基礎であり、フェミニズム・ゲーム作り実践なのですから。
ここではゲームをどう改変するのかを楽しみつつ、フェミニズムゲーム理論における改変についての論を学んでいきます。
※ リアルタイムでのディスカッションあり
【宿題:アナログゲームを改変するワークシート】
第3回「デジタルゲームを改造しよう」
2025年8月19日(火)19:00-20:30
第3回ではデジタルゲームに挑戦します! 今回は講師が用意した2種類のテンプレートを用いて、簡単なドット絵のゲームとテキストによって進行するノベルゲームの2つを作っていきます。
日記のような感覚で気楽にゲームを作ってみましょう。
ここではデジタルゲーム作りを学ぶと同時にゲーム制作ソフトウェアの歴史とそれが与えたインディゲームに対する影響、そしてMODと呼ばれるゲームを改造することの可能性についても考えていきます。
※ リアルタイムでのディスカッションあり
【宿題:改変したデジタルゲーム】
第4回「作りたいゲームを考えよう!」
2025年9月16日(火)19:00-20:30
最終回となる第4回では、これまでの講座を元にどんなゲームを作るのかを考えていきます。
ゲーム作りは確かに難しい行為でもあります。でも要素を分解したり、できる範囲のゲームを考えることができれば、ハードルを乗り越えていくことができます。
大事なのは作れる範囲のものから逆算すること。短歌や俳句がそうであるように制約は力です。
最終回ではそうしたゲーム作りの思考を学びつつ、実際のゲーム表現やゲーム制作ソフトに触れていき、どんなゲームを作れるのかを探っていきます。
※ リアルタイムでのディスカッションあり
【宿題:ワークシート方式のゲームの企画書】
講師:近藤銀河
参加費:講義¥3000/回
回数:全4回
授業方法:zoomによるオンライン授業
日時:2025年6月17日(火)、7月15日(火)、8月19日(火)、9月16日(火)
時間:19:00-20:30
部分受講:可
・全て1ヶ月間視聴可能アーカイブ配信あり
・当日参加できなくてもOK
・アーカイブのご案内はお申し込みより2営業日以内にお送りいたします