東京・代々木上原に「按田餃子」という小さな店がある。
看板メニューは、ハトムギを殻ごと粉砕し皮に練り込んだ水餃子。昼でも夜でも、中途半端な時間でも、一人でさっと入りさっと出ていくお客さんが絶えない。
ファーストフードぐらいのテンポ感で食事ができ、脂っぽくなくて、バランスよく食事を摂れる。特別な日のご馳走というよりも、疲れた日に助けてもらうようなやさしいメニューが揃っている。

店内の雰囲気は煙草の臭いがしないお洒落な雀荘のようで、妙な居心地のよさがある。店員さんは必要なときに必要な分の親切さをくれ、何度通ってもいい意味で距離がある。今日は、静かな店内に国会中継の音だけが流れている。
この店のファンは多い。一度行くと、按田餃子の気遣いに助けられて、日々を調整するみたいにまた行きたくなる、誰かにとって唯一無二の小さくてつよい店だから。
ゆにここカルチャースクールでは、そんな個人店を経営する按田餃子の按田優子さんと鈴木陽介さんをお招きして、「小さくてつよい個人店のきりもり」についての講座を開講します。
それぞれ無理のない金額を出し合って、もしもそのお金がゼロになったら解散しようと「按田餃子」をはじめた按田さんと鈴木さん。
二人から学ぶことは、きっと多いはず。
お店をきりもりしたい人、している人が背中を押されるもよし。講座を通して別の道もあると、お店のきりもりをあきらめるのもよし。
大きな資本に頼らずにお店を営む二人から、小さくてつよいお店のきりもりについてをじっくり学んでみませんか。
【按田餃子】
東京・代々木上原にある水餃子が看板メニューの飲食店。2012年創業。2022年には代々木上原に二店舗目のパワー店をオープン。
お店の紹介YouTubeはこちらから
按田餃子には「工芸部」という部門がある。豚を茹でた時にでるラードや梱包の資材などを廃棄せず、石鹸や鞄に変えてお店で再利用する試みの場。

按田優子
菓子・パンの製造、乾物料理店でのメニュー開発などを経て2011年独立。食品加工専門家として、JICAのプロジェクトに参加し、ペルーのアマゾンを訪れること6回。2012年、写真家の鈴木陽介とともに「按田餃子」をオープン。
著書に『食べつなぐレシピ』(家の光協会 )、『たすかる料理』(リトルモア)、『冷蔵庫いらずのレシピ』(ワニブックス)など。

鈴木さんと二人で按田餃子の切り盛りについて講座をすることは滅多にないので、お店を開きたい方はもちろん、按田餃子の常連さんも是非按田餃子の内側を楽しんでもらいたいです。
鈴木陽介
写真家。1976年 神奈川県茅ヶ崎生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。2002年に 写真家として活動をはじめる。
写真集に「カレーライス」、「むし」、「珠々がきた「BLACK」、「葉っぱとシロクマ」がある。按田餃子オーナー。
第1回「小さなお店ができるまで」
2025年8月11日(月・祝)19:00-20:30
・出版記念イベントのポップアップがはじまりだった
・自分が「私たち」と思える人と同じ釜の飯で行こう作戦
・どんな人に来てもらいたいかがお店の軸となる
・飲食店のセオリーを無視したこと、手本にしたこと
・按田餃子のメニューと年表
第2回「たかが餃子、餃子より働くみんなの人生のほうが大事」
2025年9月8日(月)19:00-20:30
・餃子より大事なこと
・誰でもやれる方法に落とし込む
・適切な距離でいること
・任せたら細かく口出ししない
・こだわること、こだわらないこと
・「友の会」での実験
第3回「お財布のきりもり」
2025年10月13日(月)19:00-20:30
・ミニマムではじめる
・捨てない(塩水漬け、おかえり石鹸、按田餃子工芸部)
・拾う
・会社経営とお店の営業の役割分担
・何にお金をかけて、何にお金をかけていないか(写真とメニュー開発が自前なのは大きい)
第4回「計画通りにいかない」
2025年11月10日(月)19:00-20:30
・解散条件を決めていたけど
・ペルーでのこと、ジャングルでのこと
・楽しくやるコツ
・二子玉川店の開店と閉店
講師:按田優子、鈴木陽介
参加費:講義¥3000/回
回数:全4回
授業方法:zoomによるオンライン授業
日時:2025年8月11日(月・祝)、9月8日(月)、10月13日(月)、11月10日(月)
時間:19:00-20:30
部分受講:可
・全て1ヶ月間視聴可能アーカイブ配信あり
・当日参加できなくてもOK
・アーカイブのご案内はお申し込みより2営業日以内にお送りいたします

