星男でよむフェミニズム(杉田ぱん)

こんばんは、ゆにここ代表の杉田ぱんです。イベントを一つお知らせします。

桜子とあなたと読みたい、富岡多恵子

『やまとなでしこ』というドラマがある。客室乗務員の神野桜子がお金持ちと結婚するため日々合コンに明け暮れ、運命の人を見つけるまでを描いた2000年のラブストーリーである。私は2025年の秋にこのドラマにハマった。

主人公の桜子は、目的達成のために徹底した日々を送っている。フライトから戻ると次の合コンの予定を立てるための電話に忙しい。既に東十条司という大病院の跡取り息子との婚約を交わしているが「東よりもお金持ちが現れるかもしれない」と「運命の人」探しに抜かりがない。

お金持ちと結婚すれば幸せになれる──幼少期に貧乏に苦しめられた桜子は、二度と貧乏はいやだった。しかし貧乏でなければ、衣食住に困らないで暮らしていけるお金さえあれば、なんてぬるいことを考える桜子ではなかった。馬を持っている、大きなお屋敷の、資産たっぷりのお金持ちでなければいやだった。美人でずる賢い桜子が、慎ましくお上品で優しい女を演じれば魅了される者は跡を絶たない。資産階級へ桜子が階級移動を果たすには、結婚という制度は手っ取り早く確実な手段に見える。


「恋愛なんてしてる暇がないわ」

空港のラウンジでカプチーノを飲みながら後輩たちへ桜子は指南する。合コンは、桜子にとって恋愛をする相手をみつけるためのものではない。サイコロを振り、出るかもしれない「最も資産を持ったお金持ち」の結婚相手と出会うための手段だ。しかしサイコロの目は、どれが最も大きな数字なのかを教えてくれない。だから「タイムリミット」までサイコロを振り続ける。桜子が定めたタイムリミットは、27歳だった。それ以降は「値崩れ」を起こすという。人間が創り上げた世界は愚かだ。桜子は、愚かな世界をよく理解している。

そしてタイムリミット間近の桜子が出会ってしまったのが、潰れかけの魚屋を営む欧介だった。欧介には、金がない。それどころか親の借金にまみれている。桜子が選ぶはずがない。それなのに、欧介といると桜子は楽しい。二人でやってきたバッティングセンターで機械を壊した桜子は、欧介の腕を掴み「逃げちゃおうよ」と大きな笑顔で走り出す。ただ走っているだけで楽しい。そして桜子は、混乱する。お金持ちとの結婚。欧介。タイムリミット。東十条。まだ見ぬ王子さま。etc

そんな桜子におすすめの文章がある。

富岡多恵子の『女は男を選べるのか』だ。1972年に書かれた文書なのだが、2000年を生きる桜子にも、2026年を生きるあなたとも、一緒に読んでみたい文書なのだ。

一部を引用します。

── 女に男は選べない。男も女を選べないように、そんな思い上がったことは、おそらく人間にはできないことだと思われる。人間にできるのはもうひとりの人間と出会うことだけである。

かっこいい。

本文の中でジェンダーやセクシュアリティのあり方に課題もやや残る文書なのだが、だれかと一緒に読めばああだこうだ言える。そして、私たちが今を納得してやっていければと思う。

ということで、そんな会をひらきます。

3月3日の雛祭りに新宿2丁目にあるART BAR「星男」にて、この富岡多恵子の『女は男を選べるのか』を読む会をおこないます。

予約は入りませんので、よかったらふらっときて、おしゃべりができたらと思います。持ち物や準備は入りません。

詳細

2026年3月3日(火)20:00-22:00

主催者 杉田ぱん

参加費 2000円(ワンドリンク付き)

開催場所 新宿2丁目 ART BAR「星男」

持ち物、準備、予約不要

定員10名

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