まともでアゲなものを売りたいので会社作る/杉田ぱん
まともな社会で暮らしたい
パンデミックで見通しの悪い日々が続いてる。差別は相変わらず減らないし、ずっと不景気だし、森もどんどこ破壊される。いまって割と最悪な世界かもしれない。
割と最悪な世界は、余裕がないので弱いものいじめが発生しやすいし、ゆっくりじっくり物を考えたり、学んだりする機会も奪われやすい。「無駄」とか「生産性がない」とかいわれ、いじめられ、力を奪われる。
ギャルでクィアでフェミなわたしは、この最悪な世界で考える。
「今よりまともでアゲだと思える社会をつくりたい」と。
まともな会社をつくり、まともなものを売る
まともな社会について理解を深めるためにいまから少し自分の話をします。
わたしは、フェミニストが運営する会社に勤めてたんだけど会社勤めが一年経過したころ体調を崩して、会社を辞めた。
お金がないと生きられないので次の仕事を探したんだけど、クィアで、フェミニストで、障害者の自分がたのしく、まあまあ豊かに暮らしていける職場を探すことは簡単じゃなかった。
そりゃそうだ。既存の社会に問題や困難を感じてるから、クィアであり、フェミニストであり、障害者なわけだ。
そして、そういう自分みたいな人間がたのしく働くことは割と大事な社会の課題だと気づいた。
というわけで、会社をつくってみようとおもう。
あーでもない、こーでもない、とまともな社会について、会社について、考えてくれる人たちと。最初から完璧なものはできないだろうけど、それでも諦めずにせっせとやっていきたい。
名前は「株式会社Unicoco」とします。
ゆにここは、これから「クィアのための学校」を作るつもり。
なんでクィアのためなの?
わたしが社会をまともじゃないな、と思う一つに差別の問題がある。
例えば、いまわたしたちが暮らしている社会には「クィア」と呼ばれる人々への差別がある。
クィアとは、社会が「ふつう」とする性のあり方とは違う生き方をする人々のこと。そして、社会にいないことされてきた自らの存在にライトを当て「わたしはここにいるよ」と名乗ったり、社会の「ふつう」を壊していく人々とも言えるだろう。
クィアは「ふつう」ではない性として、差別をされてきたし、いまもそれは続いてる。クィアにとって社会は居心地の悪い場所であることが多いかもしれない。
そして差別は、なにか新しいことをはじめるときに、その場所で「もし差別を受けたらどうしよう」と誰かの行動を妨げたり、萎縮させる働きがあるとわたしは思ってる。そういう妨げを少しでもなくせたらいいな、とも。
だったら、目立つところにクィアのための旗やステッカーを貼っておくことはとても意味のあることだと思う。
だからこれはシスヘテロはお断り、ということではなく、社会にいてはいけないと、箱の外へ追い出された人たちをわたしたちは追い出さないというメッセージです。
どうしてカルチャースクール?
何かを学んだり、作ったりすることは人が生きていく上でその人を照らす光になると思ってる。だからみんなとカルチャースクールをつくりたい。
でも「何かを作ってみたい」とか「知りたい」と人が思うようになるには、まず「きっと自分にはそれができるだろう」と思える環境が重要だったりする。英語、詩歌、ダンス、美術、数学、料理、プログラミング、すべての学びがそうだ。
でも何らかの理由で、もし今あなたがそのことにハードルを感じていたら、ゆにここは、あなたが何かを作り出すこと、何なら世界だって変えられるかもしれないと伝え続ける場所でありたい。
あなたは、ゲームを作ることも、詩を書くことも、ダンスを踊ることも、料理を作ることも、いろいろな言語を話すことも、絵を描くことも、宇宙について知ることも、自分や仲間のために今は存在していない会社をつくることも、社会をつくることもできるのだと、わたしたちは言い続ける。ウチらが全力でみんながたのしく学べる場所をつくるから。
ゆにここカルチャースクールの初回授業では、ゲーム制作、短歌、コンテンポラリーダンス、料理、語学、起業の仕方などを学べる。今後、学べる教科はどんどん増えていきます。
この学びがきっと誰かの、例えばクィアなあなたの、人生をアゲにする学びになると信じて授業をせっせとつくっていきます。
株式会社Unicoco最高じゃん…応援したいという方へ
ゆにここの生徒になったり、講師になったり、応援してくれる人が増えるほど、ゆにここのできることは増えていきます。
なので「いいじゃ〜ん」とおもって下さったかた、ぜひ応援お願いしまーす!
さて、最高にたのしい授業は2月から始まります。
「完成させるためのゲーム作り教室」
まず2/20(土)から、香山哲さんによる「完成させるためのゲーム作り教室」がスタート!
プログラミングってむずそうだな〜、と感じている人でも必ず完成できるゲーム作りを目指します。とくべつなパソコンや知識はいりません。
「買ってきた卵焼きを好きなお皿の上に乗せてちょっとだけアレンジする」ぐらいのテンションでゲーム作りを一緒にしましょ。
「鏡を使わないコンテンポラリーダンス教室」
2/27(土)からは、キス代さんによる「鏡を使わないコンテンポラリーダンス教室」がはじまります。
伝統的なダンスの世界では「正しく」「うつくしく」あるいは、「女らしく」「男らしく」動くことを踊り手に求めることが多く、苦痛に感じることがあるかもしれません。
また、多くのレッスンはみんなが同じ身体をもっているという誤った前提があるため、そこには自分の居場所はないと感じることもあるかもしれません。
このダンス教室では体型や運動能力、体の柔軟さ、ジェンダー、病気の有無に関わらずすべての人が踊る楽しさや自分の身体の動き、表現する喜びを感じられることを目指します。寝たままでも、座ったままでも参加できます。
「起業ってなにやればいい? 生きづらすぎて会社員ができなかった社長と働きやすい会社を考えるための教室」
3/1(月)からは、とりいめぐみさんによる「起業ってなにやればいい? 生きづらすぎて会社員ができなかった社長と働きやすい会社を考えるための教室」。
この講座では、実際に会社、しかも昼夜逆転に優しいクィアな会社をなんとかやっていってる社長がどんなことに気をつけ、どんな基準をもってさまざまなことを判断してるのかを知ることができます。
起業してみたいけどわからないことが多すぎる、とか、コロナ禍でミートアップとかいけなくて仲間が欲しいとか、社長業に興味があるとか、会社を作って世界を変えたい、といったお悩みや疑問を一緒に解決したり、夢を共有して実現に近づけたりしましょう。
もちろん、どうやって稼げる会社にするか、社員の人間関係は、など、現実的な問題もとりあげます。
「恋の歌だけじゃない 短歌教室」
3/12(金)からは、川野芽生さんによる「恋の歌だけじゃない 短歌教室」。
平安時代から「短歌といえば恋愛」と言われる中で、恋愛じゃない歌を追究しているアセクシュアルのフェミニスト歌人による、短歌作り教室です。
川野さんの歌には、竜とか、魔女とかかっこよくてうつくしい幻想の世界の生き物がたくさんでてくる。自分が考えた最高にかっこいい生き物も短歌の世界だったら召喚できるかも。
短歌の読み方、作り方を、講座とディスカッションを通してたのしく学びましょ。
授業は、すべてオンラインで行います。
東京に住んでなくても、日本に住んでいなくても、あなたのパソコンやスマホから授業を受けることができます。
講師の方は日本に住んでいない方もいる。世界中の人たちとどんどん繋がって、考えを深め、「ふつう」をこわそう。まともな社会を一緒につくろう。
それではあなたが、ゆにここにきてくれる日をうきうき待っていまーす。
どうぞよろしく!
株式会社Unicoco /代表取締役
杉田ぱん
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ゆにここで講師やりたい、という方のご連絡窓口はこちら(mail: unicoco@xemono.life)です。