あなたのフェミニズムはどこから?/「ゆにここ編集部チャット」 #2

ゆにここ編集部チャット第2回のテーマは「あなたのフェミニズムはどこから?」

いつから、どんなきっかけでフェミニストになった? あるいは、フェミニズムを意識し始めた?

それぞれの原体験を語っています。

(チャットは↓のChatCastのページからも読むことができます。)



ChatCast

chatcast.jp

ゆにここ編集部
今日のテーマは「あなたのフェミニズムはどこから?」ということで、フェミニストになった、あるいはフェミニストを自覚したきっかけなどを話しましょう

みずき
なかなかでかいテーマ

川野芽生
私は以前A is for Asexualの記事にも書きましたが、大学生になってからですね

みずき
言葉とか概念とか運動についてきちんと学んで理解できるのって、日本だと大学以降になりがちですよね

杉田ぱん
十代のとき田嶋陽子さんの「愛という名の支配」を読んでからフェミニズムという言葉を意識するようになったかな

「愛」と「恋」がわからなかったのでタイトルに惹かれて

直角
私は幼稚園のとき。

川野芽生
かっこいい!

みずき
はやー!

杉田ぱん
はやいね

直角
幼稚園のスモックが女子はピンク、男子は青だった問題。

それが私のフェミニズムの始まりであった。

みずき
ああー でも、フェミニストとかフェミニズムという言葉を知っていたわけではなくて、

変じゃね?という気づきの始まりって感じ?

直角
そうですね、「フェミニズム」という語はもちろん知らなかったけど、

そのときからフェミニストとしての魂が燃え続けているのを感じます。

みずき
わたしは親族の女性がみんな働く女性で、フェミニストてきな言動をよくしていたから、そういう意味では小さいころからかなりそれっぽい気持ちはあった。

杉田ぱん
わたしも。

祖母が「おばあちゃんって呼ぶな!名前がある!」っていうひとで。

川野芽生
私も親がフェミニストだったから、フェミニズム的な価値観を当然だと思ってはいたな。

だから、大学に入るまでもうジェンダーの平等は達成されているものと思っていて、フェミニズムはもう役目を終えていると思ってたんだけど……

みずき
うちも父方の祖母とか、今思うと結構ミサンドリーも強めだったけど、かなりフェミニストで

田舎では女性が男性と同じ業務、同じ賃金で働けるのって教員くらいなんですよ。で、親族の女性はほとんど教員なんです。

それでも母は2回の出産で昇給が男性の同僚より遅かったし、祖母や曾祖母は管理職になれなかった。

その辺がわかり始めて、こら!世界!と思うようになりました。

直角
性差別に対する違和感というような意味では、皆さんも早い時期からフェミニズム(の精神)を意識されていたのですね。

みずき
まあ、この世には、性差別があるので。。。

地域の獅子舞祭りが小さいころから好きだったんだけど、男の子じゃないから踊りはやらせてもらえない、と気づいた5歳くらいの時が一番最初のショックだったかも。

川野芽生
私は親が共働き共家事で夫婦別姓だったりしたので、性差別の存在にはあまり気付いてなかったな……

夫婦別姓ってもう制度化されているものと思っていて、高校の授業で「いまだ解決されていない社会の問題:夫婦別姓」みたいに習った時に「あれ? 私は未来に生きているのか?」ってなった。

みずき
うちの両親はフルタイム共働きだけど、家事を全部母がやってて「変だな?」と思ってましたよ

めぐみさんの家はなかなか未来かも。

杉田ぱん
そうだね。家の中でも、フェミニズム的な価値観とそうでない価値観って共存してた。

直角
フェミニスト的価値観の中で育つことでフェミニズムに出会っていくパターンと、性差別的な周囲への違和感からフェミニズムに気づき始めるパターンとがあるのですね。

みずき
めぐみさんの話を聞いてると、都会のリベラルな環境に育った人って「フェミニズム達成されてんじゃん」って思いがちな気はしますけど

川野芽生
思っちゃうんだよね

みずき
うちの地元は共働きは多いけどクソ田舎でもあるので、微妙。

杉田ぱん
うちも、親族はリベラルだったけどよくない発言とかもあった

川野芽生
それで、大学に入って性差別に出会って、ショックで。

直角
「フェミニズム」という言葉を知って、「自分はフェミニストだ」と自覚するようになったのはどんなきっかけなんでしょうか?

みずき
やっぱり大学に入って、フェミニストと交流するようになってからですね

大学、セクシストもいたけどフェミニストもいて、初めて他人とそういう話を真剣にできた

川野芽生
家にフェミニズムの本がわりとあって、大学に入ってから上野千鶴子の『女ぎらい ニッポンのミソジニー』とかを読んで、フェミニズムに触れた気がします

大学はミソジニーが激しい空間だったから、ああーなるほど! ってなりながら読んだ

直角
私は10歳くらいのころ、テレビに出ていた田嶋陽子さんを見てかっこよすぎる!と思って、
母に聞いたら「フェミニストっていうんだよ」って教えられました。

そのとき初めて私もフェミニストになる!って思った。

杉田ぱん
わたしも、男のフェミ友と田嶋陽子、かっこよすぎん?みたいな話から

あと、フェミニズムって言葉を知ったとき とても肯定的に説明されたのがよかった。

みずき
どんなことでもそうですけど、いい先輩がいることはなにかに入門するときに重要な気がする

田嶋さんも上野先生も、ザ・フェミニストって感じでいろいろ言われるけど、とにかくいろいろなことを言ったり書いたりしているのはえらい

直角
田嶋陽子さん、上野千鶴子さんの名前が出ましたね。自分もその後フェミニストとしていろいろ勉強して、お二人の考えのすべてを支持しているわけではないですが、確実にフェミニズムと「出会わせてくれた」存在ではあると思います。

川野芽生
そうですね、上野千鶴子、支持できない部分もあるけど、フェミニズムと出会わせてくれたという功績は大きい

あとはTwitterで、フェミニズム的なことを発信しているアカウントを見るようになって、これもフェミニズムなんだ!みたいに思ったかな

みずき
ぱんちゃんは誰に説明してもらったの?

杉田ぱん
田嶋陽子さんの本を貸してくれた友だち。十代の時に、男性ジェンダーの子から借りたんだけど、今もフェミ友。

みずき
いいなあ。

杉田ぱん
ここは、うなずけないね!とか話した

みずき
私はたぶん中学の現代文の評論問題でフェミニズムという概念や運動を知ったんですが、その文章があまりよくなくて

フェミニストの筆者が家父長制支持者の女性に対して怒ってる文章だったんですよね。

川野芽生
女性に対してかー

みずき
なんでこの人こんなに怒ってるんや、と。

川野芽生
女性対女性みたいな構図にされちゃうやつだ

みずき
今思うと、その問題集を作った人の文章の切り抜きかたが悪いとしか言いようがないんですが。

杉田ぱん
学業においてフェミニズムと良い出会いできないのかなしい。

直角
フェミニズムに対する悪いイメージが世に流布しているから、最初からよい出会いというのもなかなか難しいですよね。

川野芽生
フェミニズムという言葉、誤解に満ちた使われ方が多いですもんね

みずき
だから、フェミニズムとの出会いの時に、モヤモヤしないような先輩に、わたしがなりたいなと

これは特に女子高でバイトしてるときに思ったんですが

高校生はまだ性差別に対して反論する言葉を十分もっていなくて、でももやもやや違和感はたくさん感じていて

ある生徒が、「先生(私のこと)は高学歴だから結婚が遅れるぞ、ってお父さんが言ってました」っていうから反射的に「は?くっだらねー」って言っちゃたんですが

やっべ、生徒の親やん、って思ったんですけど、その生徒本人がすっごくわらって、「ほんと、くっだらねーですよね!」って言ったことをすごく覚えてるんですよ。

川野芽生
いいことをしましたねー

みずき
ああ、気を使って同意しなくてよかったなーと思いました。

直角
今涙ぐんでいます。

杉田ぱん
わたし、ゆにここでティーンのひとたちに読んでほしいなあと思いながら書いてる。中高の時っていまより、ずっと自分の中に言葉がなくてつらかった。いるよーって。

みずき
ほんとうに。ちゃんと言葉にする方法があるよ。変だと思ったら叫んでいいんだよ、っていう。

川野芽生
日々フェミニストとして自分が振る舞うことで誰かによい影響を与えられると思って行動してます。くだらない言動に同意しないとか含めて。

杉田ぱん
大事。生きてるだけで政治。

みずき
生活がフェミニズム!

川野芽生
ゆにここ、ティーンの人とか、もやもやはあるけど言葉にできてない人とかに読んでほしいですよね。

直角
自分をフェミニズムに出会わせてくれた人たちには感謝しているし、だからこそこれからフェミニズムに出会う人たちにとって自分もよい先輩になりたいと思いますね。

フェミニズム、「出会う」というよりは「出会っていく」ものなのかなと思ってます。

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